タイムカードの勤怠管理には問題点も! システム式の管理方法のメリットと導入ポイント

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タイムカードの勤怠管理には問題点も! システム式の管理方法のメリットと導入ポイント

「タイムカード方式」の勤怠管理は、企業・経営者にとっては簡単に導入でき、従業員側もタイムレコーダーにカードを入れて打刻するだけというシンプルな方法であるため国内では一般的なものとなっています。
しかしIT化が加速している近年は、アナログなタイムカードでの勤怠管理よりも多くのメリットが得られる「勤怠管理システム」の導入が注目されています。
「勤怠管理システム」とは具体的にどのような仕組みで、どのような特長があるのでしょうか。その詳細を、タイムカードと比較しながらご紹介していきます。

勤怠管理をもっとラクに

この記事の目次

    タイムカードによる勤怠管理の問題点

    従来、国内で広く普及してきたタイムカードには、企業にとって「低コスト」「運用が簡単」などのメリットあります。しかしその半面、適切な勤怠管理を行ううえではさまざまな問題点もあると考えられています。タイムカードにはどのようなデメリットがあるのか、問題点を整理してみましょう。

    集計を手作業に頼ることになる

    タイムカードは、従業員が所定のカードをタイムレコーダーに挿入し、出退勤時刻を印字するというおなじみの方法です。企業の管理担当者は、タイムカードに印字された情報を別の書類やエクセルなど表計算ソフトに転記して、従業員の勤務時間を集計します。

    しかし、転記・集計は手作業で行うため、どうしても手間がかかってしまいます。また、従業員を多く抱えている企業では担当者の負担も大きく、転記ミスなども生じやすいため、転記ミスによって間違った労働時間が反映され、給与計算において不利益が生じるリスクが常にあります。

    月内の締め日まで勤怠状況が把握しにくい

    企業が従業員の出退勤の管理は、36協定を遵守するために従業員毎の「遅刻」「早退」「残業」「休日出勤」についてしっかり把握することが大切です。

    しかし紙のタイムカードで勤怠管理を行っていると、ほとんどの場合でリアルタイムによる勤怠状況の確認が難しいといった問題があります。月末月初に担当者の手元にカードが届いて初めて勤怠を把握するという流れになるため、気づいたら36協定に違反していたということもあります。

    有給休暇の管理が困難

    働き方改革関連法により、年10日以上の有給休暇を付与した従業員は、年5日以上の有給休暇が義務付けられており、有給休暇の残数を把握したりすることが大切な責務となっています。

    しかし、タイムカードは出退勤時間の記録はできるものの、多くの場合で休日を一目で確認することが困難です。そのため、タイムカードと別にエクセルなどの表計算ソフトで年次有給休暇管理簿を作成して、手入力で更新するケースが多いのではないでしょうか。その場合、手入力によるミスが発生して管理の手間がかかることが想定されます。

    打刻漏れや不正が発生する可能性も

    企業側の転記や集計などの作業で誤りがなかったとしても、従業員側が正確な出退勤時間を打刻できていないというケースもあります。また、現場で他人が打刻することや、手書きの場合は書き換えることなどが可能なため、不正が発生してしまった事例も見受けられます。

    単純なミスが原因で、そこに悪意はなかったというケースもありますが、いずれにしてもタイムカードが常に正確な出退勤時間を記録できているとは言い切れないでしょう。

    おすすめはタイムカードから勤怠管理システムへの切り替え

    勤怠管理システムとは、従業員がパソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末から出退勤時間を打刻し、企業はシステム上で管理・集計・出力することができるものです。出退勤だけでなく、給与計算システムなど、ほかの機能と連携できるものもあります。

    「ICカード型」「アプリ型」などさまざまな方法がありますが、特に、インターネットでアクセスするだけで多彩な機能を活用できる「クラウド型」へのニーズが高まっているようです。

    タイムカードをはじめ、従来のアナログな方法と比較しても、勤怠管理に必要な情報を一元管理できることや、リアルタイムで勤務状況を確認できること、ヒューマンエラーのリスクが軽減されることなどが特徴といわれています。多くの企業で各種業務のデジタル化が加速しているため、勤怠管理システムへの注目度も高まっています。

    勤怠管理システム導入のメリット

    勤怠管理システムは、タイムカードと比べて「業務が効率化する」「不正が防止できる」「リアルタイムに確認できる」「多様な勤務形態に対応できる」などのメリットがあると考えられています。これらを具体的に確認していきましょう。

    集計作業が効率化される

    タイムカードによる勤怠管理は、カードを回収した後に打刻された出退勤の確認をするのが一般的ですが、集計やそれに基づく給与計算には時間や手間がかかり、計算ミス・転記ミスなどが起こるリスクもありました。

    一方、勤怠管理システムは従業員が手元の端末で打刻した出退勤情報が自動で収集され、システム上で一元管理できるため、企業の管理担当者の負担が大きく軽減されます。システムを活用することでタイムカードによる一連の問題が改善され、効率が大幅にアップし、企業全体の業務にも好影響が期待できます。

    不正打刻が防止できる

    タイムカードの問題点としては、「不正打刻の可能性がある」ということも挙げられます。本人以外が出退勤時間を打ち込んだり、手書きのものは修正できたりということが起こりうる方法でしたが、勤怠管理システムでは、まず従業員毎に個別の打刻用画面が提供され、他人が打刻することはできない仕組みとなっています。

    申請の履歴なども記録・保存されるため、従業員が有利になるような改ざん・不正は発生しにくいと考えられます。

    リアルタイムで勤怠状況を確認できる

    従業員の勤怠管理をリアルタイムで確認できるという点は、勤怠管理システムが備える大きな特徴です。その日の出退勤時間はもちろん、残業や休日出勤の把握も随時できるので、法律で定められている時間外労働の上限管理も行うことができます。たとえば、残業の上限が近づいている従業員がいたときは一覧表ですぐに把握でき、超過しないよう対策を講じることが可能です。

    また、いつでも自動的に迅速に集計してくれるので、タイムカードのように「締め日前に業務が繁忙になる」ということもありません。

    フレックスやテレワークなど多様な勤務形態に対応可能

    勤怠管理システムは、従業員が手元の端末からいつでも打刻できるため、フレックスタイムやテレワーク、リモートワークなどにも対応が可能です。タイムカードの場合だと、タイムレコーダーのように打刻できる機器がある場所でしか出退勤の記録はできませんが、クラウド型の勤怠管理システムならインターネットに接続できる環境であればどこからでも打刻できます。

    在宅だけでなく、遠方への出張・現場への直行・出先からの直帰といった多様な勤務形態にも対応できます。

    申請・承認に関わるフローを設定できる

    勤怠管理システムには、システム上での申請・承認フローも設定されています。従業員による紙の書類での各種申請や、それに対する企業からの紙を使った承認・管理などの手作業が必要なく、一連のフローを申請者・承認者の間でシステムに沿って行うことができます。前項で述べたとおり、時間・場所を問わず機能を活用できることからいつでも申請・承認が可能であり、勤怠管理システムでのやりとりですべてが完結するという点も大きな魅力です。

    アラートにより法令違反を防止できる

    勤怠管理システムには、タイムカードにはない「アラート機能」が備わっています。もし、何らかの事情で従業員の打刻漏れが発生した場合、それをアラートで表示し、管理側では迅速に状況の確認・対応ができるというものです。

    また、残業の上限をアラートで設定することも可能で、適切な対応とともに、法令違反の防止にも貢献してくれます。タイムカードなどアナログな勤怠管理では難しかったスピーディな対応を実現し、企業・従業員双方にとっての不利益を回避してくれるのです。

    タイムカードシステム廃止に伴うデメリット

    では、逆にタイムカードを廃止してしまうことにデメリットはないのでしょうか?
    勤怠管理システムには優れた点が多々ありますが、企業によってはタイムカードの方が適していたり有利だったりというケースもあります。

    新規のシステム導入にコストがかかる

    勤怠管理システムには、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。
    オンプレミス型は、自社の勤怠ルールや就業規則などに合わせてシステムをカスタマイズできるため、便利ですが導入時の初期費用が高額になります。

    クラウド型は提供会社の既存のシステムを活用するので、オンプレミス型ほど初期費用が高額になることはありませんが、多少なりとも月々の使用料がかかってきます。これらと比較すれば、タイムカードの場合は初期費用もランニングコストも抑えられるのがメリットといえます。

    最初から「タイムカードを取りやめる」という一択ではなく、まずは費用の面でどの方法が自社に合っているかを検討する必要があるでしょう。

    運用ルールの設定が必要

    勤怠管理システムの運用にあたっては、あらかじめ自社の勤務形態や就業ルールなどを把握し、それに基づく初期設定が求められます。比較的導入しやすい「クラウド型」の場合でも同様に事前に認識して設定しておく必要がありますが、特に「オンプレミス型」の場合は、しっかりとした運用ルールに伴ったカスタマイズを行ってからスタートさせなくてはなりません。そのため、円滑な導入にはシステムや人事労務について知識があり、両面の作業に長けている人の協力が必要になってきます。これに対し、タイムカードは機器の設置だけですぐに運用が可能であるため、手間がかかりません。

    企業規模によってはタイムカードが有利な場合も

    勤怠管理システムは、業務の効率を高め、さまざまな規模の企業へ柔軟に対応できるものです。ただし、従業員数が少ないなど、もともとの勤怠管理が煩雑になっていない職場では逆にコストパフォーマンスが低下する可能性もあります。

    たとえば、従業員が20名以下の企業で、勤務状態の把握や集計作業がおおむね円滑にできているのであれば、導入や運用に費用が掛かってしまうシステムをわざわざ取り入れるより、タイムカードのままが有利ということがあります。将来的に事業拡大の予定がない企業は、タイムカードを継続するという方向も選択肢の一つとなるでしょう。

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    勤怠管理システム導入の際にチェックすべきポイント

    「タイムカードを廃止して勤怠管理システムを導入したい」ということになった場合、あらかじめチェックしておくポイントとしてはどのようなことが挙げられるでしょうか?

    現在、多くのシステム会社からさまざまなサービスが提供されているため、以下のポイントに従って比較検討してみることも大切です。

    自社の勤怠ルールに対応可能であること

    従業員の管理においては、企業ごとに細かな勤怠ルールが設けられているものです。勤怠ルールは、従業員数、出退勤の時刻、正社員とパート・アルバイトとの混在、給与設定の基準、各所の業務内容、支店支社の有無など、基本的には独自の形態に基づいて決められていることでしょう。そのような自社のルールに沿ってシステムの運用を行うことになるので、導入したい勤怠管理システムがそれらに対応しているかどうかをリサーチする必要があります。

    給与計算システムと連携ができること

    勤怠管理システムは、基本的に出退勤時間の把握やその集計に特化した機能となっています。したがって、それらの情報が給与計算システムと連携できるかどうかは、企業運営を円滑に行ううえで重要なポイントといえます。正しい労働時間の情報が得られても、それを給与計算に反映できずその部分が手作業になってしまっては、システムのメリットが半減してしまいます。

    利用したい勤怠管理システムが給与計算システムと連動できるサービスかどうかを確認し、できるだけ併せて導入することを検討しましょう。

    従業員にとって使いやすいこと

    勤怠管理システムは、従業員がいつでも打刻できることや管理担当者の負担が軽減されるなどのメリットが大きいですが、全従業員が利用するものとなるため、「使いやすさ」も焦点となります。企業側の効率向上や不正防止といったアプローチだけでなく、従業員側の操作性がタイムカードなど従来の方法と比べて改善することもポイントです。

    導入にあたっては、複数の従業員にデモ画面を確認してもらうなど、実際に運用する際のシミュレーションを行い、操作性を確認してみるとよいでしょう。

    セキュリティ対策やサポート体制が構築されていること

    先述のとおり、システムの初期設定には知識を有している人材が必要ですが、社内に適任がいないという企業もあるでしょう。そのようなケースに対応するため、システム会社によっては初期設定や運用についてのサポートサービスを提供しています。

    担当者がITやネットワークシステムに不慣れというときも、安心して導入ができ、スムーズに運用が開始できます。インターネットを介するため、万全なセキュリティ対策が施されていることも不可欠です。事前に、セキュリティ対策の充実度やサポート体制の有無も確認してみましょう。

    その他、費用対効果や導入形態(オンプレミス型とクラウド型)もチェック

    勤怠管理システムは、導入や運用にあたって、アナログな管理方法では発生しなかった費用が掛かります。しかし、うまく活用することでコストパフォーマンス・タイムパフォーマンスという観点から得られるものは大きいです。継続的な運用によって問題点が改善されていき、費用対効果が向上することにも期待が寄せられます。「クラウド型か、オンプレミス型か」によってもメリット・デメリットが異なるため、従来の管理方法や経理面を鑑みて方針を固め、検討・選択を進めていきましょう。

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