タイムカードと勤怠管理システムはどちらが良い?違いや移行メリットを解説

タイムカードによる勤怠管理には、運用がシンプルで導入コストも抑えられる半面、打刻漏れや不正の懸念、リアルタイムな勤務状況の確認ができないことなどの課題もあります。また、企業の責務(※)として労働時間の客観的な記録が求められる昨今の情勢において、複雑化する勤怠管理をタイムカード方式で行うことに不安を感じている人事労務担当者もいるでしょう。
こうしたタイムカードでの勤怠管理における課題解決策のひとつが、勤怠管理システムの導入です。
この記事では、タイムカード方式での勤怠管理と比較しながら、勤怠管理システムへの移行メリットについて解説します。
タイムカードから移行する場合の勤怠管理システムの選び方や具体的な導入の流れも紹介するので、自社の勤怠管理に課題を感じている方はぜひ参考にしてください。
(※)参照「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
この記事の目次
タイムカードと勤怠管理システムの違いを比較表で解説
はじめにタイムカードと勤怠管理システムの主な違いを、比較表で確認してみましょう。
勤怠管理システムは、幅広い打刻手段や勤怠データの自動集計機能を備えており、膨大なデータをシステム上で一元管理できます。また集計した勤怠データがリアルタイムで確認可能なほか、従業員ごとの勤怠状況を可視化できる部分も強みです。
一方タイムカードは、初期費用や月額費用を低く抑えることはできますが、勤怠データの記録や集計を手動で行うため、勤怠データの汎用性は高いとはいえません。また、従業員が数十名以上の企業においては、紙ベースでの勤怠管理にかかる時間と人件費が課題となっている場合もあるでしょう。
<比較表>
項目 | タイムカード | 勤怠管理システム |
---|---|---|
記録方法 | 手動で打刻機にカードを挿入 | PCやスマホ・専用端末など幅広い打刻手段 |
集計方法 | 手動で集計(※1) | 自動で労働時間や残業時間を計算 |
導入コスト | 初期費用が低くランニングコストが少ない | 初期費用や月額費用が発生する場合が多い |
運用効率 | 管理者や担当者の負担が大きい | データの一元管理や自動集計可能 |
法令対応 | 手動で対応が必要 | 労働基準法に基づいた計算やアラート機能あり |
データ分析 | 紙ベースで集計が必要 | 勤務状況の可視化・分析がリアルタイムで可能 |
リモート対応 | 不可 | リモートワークや多拠点勤務に対応 |
トラブル対応 | 紛失や不正打刻・情報流出のリスクあり | アクセス権管理やデータ暗号化によるセキュリティ対策 |
その他 | 機能は打刻のみ | 勤怠管理の幅広い機能の利用やツール連携が可能 |
(※1)部分的なデータ集計が可能な製品も一部あり
タイムカードによる勤怠管理の課題
タイムカードは、数十年以上前から幅広い業種で導入されてきたことから使い慣れている人が多く、運用もシンプルです。
ただし、集計作業の手間をはじめ、打刻漏れや不正打刻といった課題が多くあります。また、紙による管理は労務担当者の負担を増やし、重要な給与計算に影響を及ぼしかねません。
ここでは、タイムカードが抱える、よくある課題を整理していきます。
打刻漏れや不正が発生しがち
タイムカードの大きなデメリットは、打刻の漏れや不正が起こりがちなことです。
タイムレコーダーにカードを差し込むという打刻方法が限られているだけに、出勤時にレコーダーの前に長い行列ができる場面もあり、打刻を後回しにする従業員の打刻忘れも起きがちです。また、直行直帰ではそもそも打刻することすらできません。
その場合は本人の申告に頼らざるを得ず、実際の出退勤時間をごまかすなどの不正が起きやすくなるでしょう。
さらに、基本的には誰でも打刻可能なため、本人以外の打刻に気が付かないリスクもあります。
働き方の多様化に対応しにくい
働き方が多様化すると同時に、主に打刻の面で、タイムカードでは対応しきれない部分が多くなっていることが課題といえるでしょう。
例えば、機器を通しての打刻が前提のタイムカードでは、近年増加しているリモートワークにおける出退勤が記録できないという問題にぶつかります。
また、中抜け時間がある場合には1日に何度も打刻する場合もあり、どの打刻が本来の出勤・退勤なのかがわかりにくくなる懸念もあるでしょう。
従業員ごとの多様な働き方に柔軟に対応しにくい点は、タイムカードにおける勤怠管理の課題といえます。
残業や休暇を管理しにくい
休暇の取得状況の把握についてもタイムカードは適していないため、有給休暇の取得や消化が義務化された現行の法律に沿った管理が難しいといえます。
タイムカードは月末に集計作業を行うため、リアルタイムで労働時間を把握することには向いていません。
同時に、残業や長時間労働が発生していても気づきにくく、注意喚起にも遅れが生じます。
勤怠データの集計に手間がかかる
タイムカードにおける勤怠データ集計には、タイムカード自体の回収とデータ集計の二重の手間がかかります。
まずは設置場所からのカード回収にはじまり、そのうえで手作業での勤怠データの集計・計算が必要です。Excelや給与計算システムに入力する際の転記ミスも発生しやすく、それを防ぐために二度三度の確認をしていればさらに時間はかかるでしょう。
しかし、集計は給与と直結しており、過不足や未払いが起こるようなことがあってはなりません。
慎重に行う必要のある業務だからこそ、負担から生じる人的ミスのリスクは大きなデメリットといえます。
法律改正への対応に時間がかかる
人事労務担当者や責任者には法律を遵守しながらの勤怠管理が求められますが、タイムカード方式では、細やかに改正される法律への対応に時間がかかる場合もあります。
労働時間の管理や把握はもちろん、働き方改革によって制定された年5日間の年次有給休暇の取得や、時間外労働の上限規制などの労働基準法をはじめとした法律を遵守しなければなりません。
行政の指導が入る前に法令違反のリスクを減らすためには、労働時間を正確に把握できる管理体制の構築が不可欠です。
管理部門の業務負担が大きい
長期にわたって多数のタイムカードを管理するのは、従業員の多い企業の管理部門にとって負担の大きい業務です。
現在、タイムカードは3年から5年の保管が義務付けられています。そのため、タイムカードの保管場所が必要であり、管理における負担も発生するでしょう。
また、拠点が複数ある場合は、毎月タイムカードを管理部門に発送しなければならない手間も求められます。その場合、管理部門の業務負担は一層大きくなるでしょう。
タイムカードから勤怠管理システムに移行するメリット
タイムカードでの勤怠管理に限界を感じている企業に向けての解決策として、おすすめできるのが勤怠管理システムの導入です。
人事労務担当者の負担軽減、業務効率化の観点からも、従来のタイムカード方式では得られないプラス面が多くあります。
では、どんなメリットがあるのか、具体的に解説していきます。
豊富な打刻方法で多様な働き方への対応が可能になる
従業員ごとの働き方に合わせた豊富な打刻方法が選べる部分は、勤怠管理システムならではのメリットです。
勤怠管理システムで使われる打刻方法には、スマートフォンやパソコンでのブラウザ打刻のほか、ICカードを使用した打刻などがあります。
モバイル機器を使った記録ならリモートワーク時の勤怠管理が可能となり、利便性が増すでしょう。また、GPSに対応していれば打刻した場所もわかるため、より正確な情報の取得につながり、多様な働き方を推進できます。
打刻ミス・不正打刻が防げる
勤怠管理システムには、打刻のミスや不正を防止する仕組みが備わっていることも、タイムカードと比較した場合の大きなメリットだといえます。
個人に与えられているパソコンのログオン・ログオフと入退室記録を連携することにより、打刻漏れや打刻ミスを減らすことが可能です。また、生体認証を用いた打刻システムを利用すれば、本人以外の不正打刻の防止につながります。
さらに、GPSを搭載するシステムでは打刻範囲を指定できるため、通勤途中などでの打刻防止も可能です。
どの方法を利用するにしても、本人のアカウントや管理者からしか操作できない仕組みにすることで、不正の抑制効果を高めることができるでしょう。
労働時間がリアルタイムに把握できる
タイムカードから勤怠管理システムへの移行により、月末に集中していた勤怠状況の把握が、リアルタイムでいつでも確認できるようになります。
従業員の勤務状況がその日のうちに確認できれば、打刻漏れや欠勤・遅刻などの把握もスムーズです。
また打刻漏れなどがあった場合、タイムカード方式では遡って確認を取る作業が発生していましたが、勤怠管理システムであればその手間と時間を省くことができます。
勤怠情報が自動集計され、業務効率化が図れる
勤怠情報はデータで管理されるため、労働時間の集計はもちろん、残業時間や休暇取得に応じた自動計算が可能になります。
勤怠管理システムと給与計算システムを連携すれば、勤怠管理と給与計算の一元管理ができることは業務効率化に対する大きなメリットです。
Excelやほかのシステムへ転記していた作業が不要になることで、計算を間違うなど人的ミスの抑制にもつながります。
法律に則って勤怠管理しやすい
法律を遵守した勤怠管理が簡単に行えるのは、勤怠管理システムのメリットです。
働き方改革の推進と、それにともなう法律改正や変化に素早く対応することは簡単ではありません。だからこそ、法制度の改正があれば該当箇所の設定を変更するだけで対応できる勤怠管理システムの導入がおすすめです。
また、システム上で労働時間や残業時間などの勤怠管理だけでなく休暇の取得状況も一元管理可能なため、法令違反リスクを可視化できます。
紙保管の負担がなくなり生産性向上につながる
これまでかかっていたタイムカードの保管費用・購入費用の削減だけでなく、集計や給与計算を行う労務担当者の負担が減ることは、勤怠管理システムへ移行する大きなメリットです。
人事労務担当者の業務は多岐にわたりますが、手作業によるタイムカードの集計と給与計算のためのデータ集計にかけていた時間を削減できるため、より優先度の高い業務へ注力することができます。
また、ペーパーレス化により業務効率化を図ることができれば、企業全体の生産性向上につなげることも可能になるのではないでしょうか。
タイムカードよりも勤怠管理システムを導入すべき企業とは?
勤怠管理システムが優れているとはいえ、すべての企業にマッチするとは限りません。
向き不向きが少なからずあるため、導入にあたっては総合的かつ長い目で見ることで、どれだけのメリットを得られるか検証することが大切です。
ここでは、勤怠管理システムの導入を検討すべき企業の特徴について整理します。
従業員ごとに多様な働き方が存在する
従業員によって多様な働き方のある企業においては、勤怠管理システムの導入が効果的です。
たとえば、建設業などが該当するでしょう。さまざまな業種の人が出入りする建設現場となると、勤怠状況はさらに複雑になり、管理も難しくなります。
正社員だけでなく、パート、派遣社員、フレックスタイム制など、昨今の働き方は多様化しています。
どのような働き方においても適切な管理を行うためのシステム構築は、これからの時代に欠かせません。
残業がある
残業の多い企業にとっては、従業員が適切に賃金を受け取るためにも、勤怠管理システムの導入がおすすめです。
タイムカードでは手作業による勤務時間の集計ミスが発生しやすく、不正打刻のリスクもあります。一方、勤怠管理システムなら残業時間を自動で集計し、リアルタイムで可視化できるため、適正な労働時間管理が可能です。
また、労働基準法では労働時間の適正な把握が求められ、1日ごとの労働時間を一律に切り捨てることは違法とされています。(※)
勤怠管理システムを活用すれば、正確な労働時間を記録し、企業のリスクを軽減できます。
※(参照)「労働時間を適正に把握し正しく賃金を支払いましょう」
人事労務管理担当者に過大な負担がかかっている
労務担当者にかかる負担は、作業がアナログであればあるほど大きくなります。
タイムカードの回収、集計、確認をすべて手作業で行い、さらにExcelへの転記や給与の計算など手間ばかり積み重なる状況では、人的ミスを誘発しかねません。
従業員が多ければミスが発生する確率も高くなるので、業務へのストレスも増すでしょう。
拠点が複数ある
本社を軸に支社・支店など拠点が複数ある場合は、勤怠管理システムの導入が適しています。
拠点が複数ある企業の場合、それぞれの拠点に労務担当者を配置することもできますが、その分人件費がかかってくることは言うまでもありません。
しかし勤怠管理システムであれば、クラウド上で遠隔管理が可能になり、有給の申請や時間外労働の超過チェックなどをすべてシステム上で行うことができます。
人事労務担当者側の管理はもちろん、従業員側の申請や労働状況の把握もシステムで一元管理できる部分は、タイムカードと比較した際の勤怠管理システムの大きなメリットです。
ペーパーレス化を進めていきたい
従業員の勤怠状況をリアルタイムで確認できるという面からも、勤怠管理システムによるペーパーレスでのデータ管理は効率的です。
すでに問題点として挙げているように、タイムカードを利用している場合、情報共有や検索のしやすさといった点で難があります。また、紙の管理や保管にもそれなりの場所と費用が必要です。
勤怠管理システムの導入は、ペーパーレス化を進めている、あるいは検討している企業において多くのメリットがあります。
タイムカードから勤怠管理システムへの移行が不向きな企業の特徴
勤怠管理システムの導入を検討すべき企業に特徴がある一方で、システムを導入しても大きなメリットが得られない企業もあります。
以下はその特徴です。
- 従業員規模が少ない(10名以下程度)
- 初期費用や月額費用が負担になる
- パソコンなどの電子機器を使わない従業員が多い
- 自社独自の勤怠ルールや特殊な勤務形態がある
上記のような企業では、勤怠管理システムよりもむしろタイムカードのほうがスムーズに運用できる場合があります。
自社でどちらが適しているか判断に迷った場合は、勤怠管理システムの無料トライアルや問い合わせを活用して、実際の運用を具体的に想定してみることもおすすめです。
タイムカードから勤怠管理システムへ移行する場合の選び方
ここからは、タイムカードから勤怠管理システムに移行する際に確認しておきたい、選定ポイントを紹介します。
最も重要なのは、システムの運用形態が自社のニーズに合っているかどうかということです。
自社で導入する場合をイメージしながら、勤怠管理システムの選び方について確認していきましょう。
自社の働き方や業務フローに合っているか
まずは、導入を検討する勤怠管理システムが、自社の従業員ごとの働き方や業務フローに沿って運用できるのかを確認しましょう。
打刻でいえば、以下のように柔軟な方法で行えると便利です。
- オフィス勤務の場合:ICカードでの打刻
- リモートワークの場合:パソコンでのブラウザ打刻
- 外回りの場合:スマートフォンでのブラウザ打刻
- 工場勤務の場合:共有のタイムレコーダー打刻
ほかにも残業の管理機能、フレキシブルな勤務体制に対応できるかなどがチェックポイントとなります。
効率化したい業務に対応するか
自社の勤怠管理において効率化したい業務に対応するのかどうかを、勤怠管理システムの導入前にしっかりと確認しておきましょう。
効率化したい業務に対応しているかどうかは、導入の目的を明確にしていれば選別できます。
打刻漏れを減らしたいならアラート機能がついているか、労働時間をスピーディーに把握したいなら画面の見やすさ、分析機能の速さなどです。
自社で抱える課題を解決できるかを、具体的に検証してみましょう。
自社の既存システムと連携可能か
勤怠管理システムを給与計算ツールなどに連携させ、蓄積された勤怠データをスムーズに渡すことができれば大幅な省力化につながります。
現在、自社で給与計算ツールや労務管理システムを利用している場合、それらと連携できるかどうかを確認しましょう。
いずれシステム改修を行う予定があるときを含め、既存のシステムと幅広く連携できる機能を備えているかどうかは、勤怠管理システム選びの重要なポイントです。
機能拡張やカスタマイズは可能か
他システムとの連携性を含め、機能拡張の柔軟性やカスタマイズの範囲などについても比較検討することが大切です。
標準機能だけで課題解決できれば理想的ですが、場合によっては自社のルールに沿ったカスタマイズが必要になることが出てくるかもしれません。
また、製品ごとに標準機能には違いがあり、拡張する場合はオプションとなっている場合もよくあるからです。
従業員にとっても使いやすいか
システムを管理する労務担当者だけでなく、従業員にとって使いやすいかどうかをチェックすることはとても重要です。
打刻は毎日の作業だけにストレスなく操作できるか、休暇申請など手軽にできるかなど、実際に操作して確かめましょう。
もちろん労務担当者にとっても必要な情報をすぐ取り出せるかなど、操作フローの確認は欠かせません。
また、従業員にとって使いやすい勤怠管理システムを選ぶことは、人事労務担当者への操作方法などの問い合わせ削減にもつながるでしょう。
セキュリティやサポート体制が整っているか
万が一情報漏えいがないよう、セキュリティ対策がしっかりとられているか、安定的に運用できるかどうかをしっかり確認しておきましょう。
勤怠管理システムは便利である反面、個人情報に関わるデータを取り扱うデリケートなものでもあるからです。また、人事制度が変更になったときや新たな勤務体制を採用するときなどを想定し、サポート体制の充実度も選定のポイントに入れておくと安心です。
セキュリティやサポートが充実している勤怠管理システムを選ぶことで、運用時におけるトラブルなどのリスクを回避しましょう。
クラウド型かオンプレミス型か
勤怠管理システムは、大きく「オンプレミス型」と「クラウド型」に分けられます。
オンプレミス型は勤怠データを保管する記録媒体(サーバー)を自社で運用するスタイルで、クラウド型は勤怠管理システムのサービスを提供する業者のサーバーを、WEBを通じて利用するというものです。
オンプレミス型はセキュリティ面に優れるというメリットがありますが、初期投資にコストがかかり、導入から運用開始まで時間もかかります。
企業規模や業態によりますが、初めて勤怠管理システムを導入する企業の場合は、導入がスムーズかつ比較的低コストに運用できるクラウド型がおすすめです。
タイムカードから移行する場合の勤怠管理システム導入の流れ
タイムカードからシステム移行の際は、スムーズかつ無駄なく進行できるステップを意識しましょう。
導入時には、自社の就業規則や組織体系、雇用形態などにもとづいて必要な情報を登録するだけでなく、従業員に使用方法も周知していかなくてはなりません。
ここでは、システム導入の流れを順に解説します。
現状の課題と導入の目的を明確にする
まずは現状の勤怠管理の課題を洗い出し、導入の目的を明確にしましょう。
課題には、以下のようなことが挙げられるでしょう。
- 手動管理の工数を削減したい
- 労働時間を正確に把握したい
- 法令を遵守し残業時間を適正に管理したい
タイムカードから勤怠管理システムに移行することにより、これらがどう解決できるか、機能と照合しながらリストアップすることが大切です。
自社に合ったシステムを選定する
現状の課題と導入目的を踏まえて、自社に最適なシステムを選定しましょう。
システムの機能の多さにとらわれることなく、改めて自社で求める使い方ができるかどうかを判断したうえでのシステム選定が大切です。
具体的には、以下のようなポイントで自社にマッチするのかを確認してみてください。
- 従業員規模や勤怠状況に合っているか
- 効率化したい業務が改善できるか
- 打刻漏れなど自社で抱える具体的な問題を解決できるか
自社の状態や目的に合わせて製品を見比べることで、ぴったりの勤怠管理システムを選びましょう。
従業員に導入意図を周知し社内ルールを整備する
導入に際しては、事前の従業員への周知をはじめ、システム操作に関する研修やルールの徹底を図る取り組みが必要です。
導入直後は使用状況をこまめに確認し、適宜ルールを見直すなど柔軟な対応が求められます。はじめは戸惑う人もいるかと思いますが、PDCA(※)に努めて安定的な運用を目指す姿勢を社内で共有しましょう。
(※)Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のこと:業務改善や目標達成を図るための行動概念
初期設定~テスト運用する
タイムカードから勤怠管理システムへ移行する場合は、できればトライアル制度のあるシステムを選び、テスト運用で動きを確かめることをおすすめします。
どれだけ検証を重ねても、実際に現場で運用すると出てくる問題もあります。
システムによって無料トライアル期間が設定されているので、活用して比較検討してみてもいいでしょう。
問題がなければ本格運用へ
問題がなければ、本格的に運用をスタートさせます。
また、運用後に想定外のトラブルが発生した場合でも焦らず対処できるよう、サポート窓口の営業時間などの確認も忘れないようにしましょう。
メールのみのサポートでなく、チャットや電話などの複数の方法で問い合わせできる勤怠管理システムであれば、よりきめ細やかに運用をサポートしてくれます。
サポート制度も活用しながら、タイムカードから勤怠管理システムの運用へ徐々に慣れていきましょう。
クラウド型勤怠管理システム「楽楽勤怠」でタイムカードの課題を解消しよう
本記事では、タイムカードと勤怠管理システムの勤怠管理の違いから、システム導入のメリットについて解説しました。
勤怠管理システムの導入では、それまでの勤怠管理状況における課題と、システム導入でそれらがどう解決できるか、また運用を続けることで業務効率化が実現できるかをよく検討することが大切です。メリットとデメリットをきちんと踏まえてこそ、最適なシステム選定にもつながり、今後ますます多様化する働き方や法改正へのスムーズな対応につながるでしょう。
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