エクセルによるタイムカード集計のポイントと、勤怠管理で注意すべきこと

タイムカード

エクセルによるタイムカード集計のポイントと、勤怠管理で注意すべきこと

企業が毎月の給与計算でタイムカードを集計する際、従業員の労働時間を正確に計算するうえで手作業では何かと手間がかかります。そこで、よく使用されるツールのひとつがエクセルです。表計算ソフトのエクセルとタイムカードを組み合わせることで、効率的な勤怠管理につなげている企業は珍しくありません。エクセルによるタイムカードの集計方法は無料のテンプレートがWEBサイトを通じて多く配布されており、低コストで共有しやすいなどのメリットがあります。

一方、入力は手作業で行うため、間違いや改ざんが起きたり、知らない間に法律違反につながったりする可能性があります。ここではエクセルでタイムカードを集計するメリットとデメリット、勤怠管理におけるエクセルの上手な利用法、エクセルでの勤怠管理時に注意するべきポイントについて詳しく解説します。

勤怠管理をもっとラクに

この記事の目次

タイムカードの簡易な集計方法はエクセル

表計算ソフトとして開発されたエクセルは、数値の集計や計算はもちろん、それをもとにわかりやすく表やグラフにすることができます。エクセルの機能をすべて使いこなすにはそれなりの知識とスキルが求められますが、勤怠管理に用いる場合はそれほど難しくはありません。簡単な計算式と集計を行うための関数を用いることで、タイムカードの集計や計算をエクセルで行うことは可能です。

タイムカードを見ながら電卓で計算して手書きで集計を行うよりも、エクセルを用いたほうが容易で業務の効率化につながります。タイムカードのエクセル管理は多くの企業で導入されており、エクセルと集計作業の相性は非常によいといえるでしょう。

タイムカード集計にエクセルを使用するメリット・デメリット

担当者にとって、毎月の給与計算は少しでも効率的に行いたいものです。エクセルを用いてタイムカード集計を行えば、手作業の計算と比較して効率的なだけでなく、データ管理もしやすくなります。

一方、データの元となる情報の入力に関しては手作業で行う必要があり、手間がかかることはもちろん、入力ミスや意図的な改ざんなどが起こる可能性について注意を払わなければなりません

それでは、タイムカード集計にエクセルを利用することのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

メリット

エクセルは自由に多様な計算を行うことができる点が大きなメリットです。たとえば、データの取得や計算を行う関数と、表サイズの変更など一連の作業をまとめて行うマクロを組み合わせるようなことができます。使いやすくするためのカスタマイズも簡単で、従業員それぞれの勤務形態に応じた勤怠管理が可能になります。

また、タイムカード集計をエクセルで行うことで、勤怠データを社内で共有しやすくなります。さらに、紙のタイムカードの保管や管理コストも削減可能です。

デメリット

エクセルでデータ管理することはとても便利ですが、出勤時刻や退勤時刻は手入力が必要です。タイムカードの打刻漏れと同じように、入力漏れや誤った情報の記述が起きる可能性など、記録の正確性に欠ける面もあるという点はデメリットといえるでしょう

また、エクセルは上書きが比較的簡易に行えるため、改ざんの危険性があります。さらに、勤怠管理に関連した法改正が決定された場合において、企業は法改正基準に即した管理体制の構築を求められますが、タイムカード集計をエクセルで行っている場合、計算式や関数を手作業で変更しなければならず、対応がスムーズにできないこともデメリットのひとつです。

タイムカード集計をエクセルで行う手順

「タイムカード集計をエクセルで行いたいがやり方がわからない」「すでにエクセルで行っているが、もっと効率のいいやり方はないだろうか?」と模索中の方がいらっしゃるかもしれません。ここではエクセルでタイムカード集計を行う際の具体例として、まずはベーシックな方法を紹介します。

<手順①>日々の勤務時間を自動計算する表をつくる

エクセルでタイムカード集計を行うためには、まず基本計算式の作成が必要です。基本計算式で算出する時間は従業員の1日あたりの実労働時間です。

[退勤時間]-[出勤時間]-[休憩時間]

以上の式で計算できます。まずはエクセルで以下のような表を作成してみましょう。

A B C D E
1 日付 出勤時間 退勤時間 休憩時間 労働時間
2 1日 9:00 18:00 1:00
3 2日
4 3日

E2のセルに「=C2-B2-D2」の数式を設定しておくと、「E=労働時間」を自動計算できるようになり、次のように算出可能です。

A B C D E
1 日付 出勤時間 退勤時間 休憩時間 労働時間
2 1日 9:00 18:00 1:00 8:00
3 2日
4 3日

ほかの日の行にも同様に設定しておくことで、業務の効率化が可能です。

<手順②>SUM関数で1か月の実労働時間を計算する

エクセルを用いると1日の実労働時間だけでなく、1か月の実労働時間を計算することができます。使用するのはSUM関数と呼ばれるもので、指定した範囲内での値の足し算を行う関数です。

たとえば1か月の実労働時間を1日8時間(全て9:00-18:00)、20営業日とした場合には次のようになります。

※以下の例は月日数が31日までの場合。

A B C D E
1 日付 出勤時間 退勤時間 休憩時間 労働時間
2 1日 9:00 18:00 1:00 8:00
~ ~ ~ ~ ~ ~
30 29日 9:00 18:00 1:00 8:00
31 30日 9:00 18:00 1:00 8:00
32 31日 9:00 18:00 1:00 8:00
33

E33のセルに「=SUM(E2:E32)」の関数を設定しておくと、「E2からE32までのセルを合計する」という設定になるため、1か月の実労働時間の自動計算が行われます。

A B C D E
1 日付 出勤時間 退勤時間 休憩時間 労働時間
2 1日 9:00 18:00 1:00 8:00
~ ~ ~ ~ ~ ~
30 29日 9:00 18:00 1:00 8:00
31 30日 9:00 18:00 1:00 8:00
32 31日 9:00 18:00 1:00 8:00
33 160

注意点としては、もとの時間表示のままでは正確な合計値が表示されません。したがって、セルの書式設定を変更しておくことが必要です。セルの書式設定から「数値」に変更することで問題は解決されます

<手順③>実労働時間から給与額を計算する

エクセルの関数を利用すれば、1か月の給与額を計算することができます。計算式は1か月の「合計労働時間×時給」です。ただし、注意点があります。エクセルでは「24時間=1日」と扱われるため、時間単位ではなく日単位の数値が出てしまい、正確な給与額が計算できません。そのため、エクセルを用いて給与額を計算する時は1か月の「合計労働時間×時給×24」とすることで時間単位の数値となります。

A B C D E
1 日付 出勤時間 退勤時間 休憩時間 労働時間
2 1日 9:00 18:00 1:002 8:00
~ ~ ~ ~ ~ ~
30 29日 9:00 18:00 1:00 8:00
31 30日 9:00 18:00 1:00 8:00
32 31日 9:00 18:00 1:00 8:00
33 160
34 時給 ¥1,300
35 合計給与 ¥208,000

上記の表の場合、E35のセルに「=E33 *E34(時給)*24」と設定することで、従業員の正確な1か月の給与額が算出可能です。

<TIPS>無料配布のテンプレートを活用しよう

タイムカード集計に対応したエクセルのテンプレートは、WEB上で多数提供されています。ダウンロードすればすぐに利用でき導入しやすいことがメリットです。それぞれのテンプレートに特色がありますので、いくつか見比べてダウンロードした後、実際に試してみて自社の勤怠管理に一番適したテンプレートを利用しましょう。

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2019年4月から順次施行されている働き方改革関連法の流れのなかで、従業員の労働時間を客観的に把握することは使用者の義務となっています。

しかし、これまでのタイムカードとエクセルを用いた勤怠管理では、入力ミスや不正防止、多様化する働き方への対応など業務効率化を行うとともに業績アップにつなげていくには、勤怠管理システムの導入を検討するのもひとつの方法ではないでしょうか。

以下で、勤怠管理システムの特徴を見ていきましょう。

勤怠管理システムとは

勤怠管理システムとは、企業が従業員の出退勤の時刻をはじめとする労働状況を管理するためのサポートシステムです。これまで日本においては、タイムカードや手書きによる勤怠管理が一般的でした。しかし、働き方改革の浸透だけでなく人材確保の面からも、テレワークやフレックスタイム制など多様化する働き方に対応していくことが企業には求められており、より効率的に従業員の労働状況を把握できる勤怠管理システムの導入が増えています。

勤怠管理システムのタイプは、大きく分けてクラウド型とオンプレミス型の2つがあります。クラウド型はWEBを介してサービスを受けるタイプで、自社でシステム管理などを行う必要がないため、初期費用を抑えることができます。一方、オンプレミス型は社内にサーバーを置いてシステム管理を行うタイプで、カスタマイズ性の高さやセキュリティ面に優れ、長期的な運用に向いているのが特徴です

一般的に、中~小規模の企業に向いているのがクラウド型、従業員の多い大規模な企業に向いているのがオンプレミス型と考えられていますが、業態によって求める機能も異なるため、一概に決められるものではありません。個々の企業にとって、システム導入の目的を達成するためにどちらが有利なのか、それぞれのタイプの特徴や備えている機能をよく把握してから選ぶことが大切です。

勤怠管理システムの強み

勤怠管理システムを導入することで、さまざまな業務改善および効率化が見込めます。タイムカード集計をエクセルで行う作業と何が異なるのか、具体的に変化するポイントやその優位性について整理してみましょう。

①集計が自動化される

勤怠管理システムの強みとしてまず挙げられるのが、集計の自動化です。企業によっては国内だけでなく、国外に支社や事業所を置いているところも珍しくありません。加えてフレックスタイム制や変形労働時間制など、雇用形態が複雑化しています。集計を自動化できれば、計算ミスを防止するだけでなく、データを一元管理できるようになるため、効率的な勤怠管理が可能になります。給与計算ソフトとデータ連携できる勤怠管理システムを選んだ場合、さらなる効果が期待できます。

②リアルタイムに勤務状況が把握できる

タイムカードを用いた勤怠管理の場合、一般的には月締めなどに集計が行われるため、タイムカードを集める手間や打刻の記入漏れをチェックする手間など、業務の煩雑化が避けられません。勤怠管理システムを導入すれば、ICカードや社用携帯などを用いて従業員自身がシステムに直接打刻するため、出退勤時刻をリアルタイムで把握することができます。そのため残業時間の管理も行いやすく、担当者の負担が軽減できることは大きなメリットです。

③打刻漏れや不正打刻が防止できる

人事労務担当者にとって、従業員の打刻漏れおよび不正打刻は避けたい問題のひとつでしょう。タイムカード集計をエクセルで行っている場合、残業時間の水増しや欠勤の無申告などを防止することはかなり難しいのが現状です。勤怠管理システムを導入すれば、打刻漏れや打刻ミスがあった際にアラート機能で従業員や管理者に注意喚起されるため、すぐに状況確認することができます

④打刻方法のバリエーションが豊富

パソコンやスマートフォン、従業員専用のタブレットなどさまざまな打刻方法があることも勤怠管理システムの強みです。打刻方法のバリエーションが豊富であれば、従業員にも選択肢が生まれます。従業員個々の状況に応じて打刻できるのであれば、打刻が習慣化されやすくなるでしょう。

⑤各種の申請が簡単にできる

ICカードやスマートフォンなどに対応している勤怠管理システムなら、オフィス以外からの出退勤の入力が可能です。出張や有給休暇、代休などの際にも、各種申請作業をオンラインで行うことができるため、書類を提出するために出社する手間が省けます。こうした作業の簡略化は、企業側にとっても従業員にとっても大きなメリットです。

⑥法改正に速やかに対応できる

働き方改革が進むなか、企業が従業員の労働時間の正確な把握を怠った場合、罰則を科せられる危険性があります。法改正対応の迅速さが企業には求められていますが、タイムカードやエクセルを用いて手作業で勤怠管理を行っていると、その都度手作業で対応せねばならず、いくら注意を払っていてもミスが生じる可能性は否定できません。多くの勤怠管理システムは、法改正に即して自動アップデートを行っているため、対応漏れを防止できます

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ここまでエクセルによるタイムカード集計のポイント、より効率的なエクセルの使い方、また、エクセルによる勤怠管理の課題と解決方法としての勤怠管理システムについて解説しました。

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