就業管理システムとは? 勤怠管理システムとの違い、システム選定のポイントもあわせて解説

勤怠管理全般

就業管理システムとは? 勤怠管理システムとの違い、システム選定のポイントもあわせて解説

就業管理システムとは、企業や組織が従業員の勤怠状況を一元的に管理・運用するためのシステムです。システムを導入することで、勤怠管理における作業工数の削減・業務の効率化・法改正への迅速な対応などが可能になります。

企業の雇用形態はさまざまで、支社や支店など複数の拠点を持っている企業も少なくありません。さらに近年は、在宅勤務やテレワークの普及により雇用スタイルや働き方はいっそう多様化しています。このような変遷の中で、企業が従業員の就業状況を正確に管理し、それを持続的な企業成長につなげるためにはどのようなシステムが必要となるのでしょうか。就業管理システムの詳細や導入のポイントなどを詳しく解説します。

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この記事の目次

    就業管理システムとは?

    「就業管理システム」とは、企業が従業員の勤怠実績を正確に把握することを目的として、勤怠データの記録を一元管理するためのシステムです。
    これまで、日本の多くの企業では「タイムカード」や「手書き」によって従業員の出退勤を記録・管理するのが一般的でした。しかし、テレワークなど勤務スタイルの多様化や、働き方改革に伴って企業が従業員への細かな対応が求められていることなど、現在の勤怠管理は複雑になっています。
    その流れから、就業管理システムへの注目度が高まり、導入する企業が増加しています。

    就業管理システムは、企業側の従業員の勤怠状況の記録や集計を効率的に行い、正確かつ円滑な業務を実現します。従業員にとっても、働く場所を限定することなく、パソコンやスマートフォン・タブレットからの出退勤申請ができるようになり、社内では紙のタイムカードではなくICカードによる勤怠登録なども可能になるため、勤怠管理のシステム化には双方にメリットがあります。

    働き方改革の推進によって、「時間外労働の上限規制」(労働基準法第36条、第139~142条)・「年5日の年次有給休暇の確実な取得」(同法第39条)や、「客観的な記録による労働時間の把握」(労働安全衛生法第66条の8の3)などが義務付けられましたが、これらの法改正も就業管理システムの導入が進んでいる一因といえるでしょう。

    【ポイント】就業管理と勤怠管理の違い

    「就業管理」と同じような意味で用いられる表現に「勤怠管理」があります。「勤怠管理」は、従業員の労働時間の把握を指すことが多く、主に数字面の管理を表します。一方「就業管理」は、時間に限らず従業員の心身状態まで広くケアし、管理することを指します。労働時間を管理する「勤怠管理」は、多角的にカバーする「就業管理」に含まれるものと考えられますが、実際に用いる際には大きな違いはありません。

    勤怠管理を効率的に行いたい

    従来のタイムカードや手書きでの勤怠管理は、時間と手間を要します。しかし、管理システムを導入することで、これまでと比較して大幅な作業効率アップが可能になります。

    たとえばタイムカード式の勤怠管理の例をあげると、従業員が出退勤時間をタイムレコーダーに打刻しそれを企業側で集計するため、ほとんどの場合、担当者が手作業で管理します。カードを回収し、打刻された数字を集計用のシート(エクセルなど)に転記するという流れですが、締め日の月末月初に作業する必要があるため、どうしても担当者の業務は偏りがちになり、多忙になります。就業管理システムは、企業側の従業員の勤怠状況の記録や集計を効率的に行い、正確かつ円滑な業務を実現します。担当者にも転記ミスや計算間違いが発生することがあるため、間違いがないように注意しながら手作業を進める必要があります。

    また、従業員の遅刻・早退といったイレギュラーを伴う勤怠状況、それぞれの有給休暇の取得状況などの把握も求められます。一つひとつ手作業で行うタイムカード式では、これらが業務を圧迫することが少なくありません。トラブルが起こった場合は、ほかの従業員や部署に負担がかかることもあり得ます。

    就業管理システムは、こういった複雑な対応を一元管理することができます。打刻情報をリアルタイムで把握でき、すべての工程を円滑に進められるため、担当者のみならず、結果的には企業全体の効率化を実現できるものといえます。

    法改正に対応したい

    「働き方改革」によって、労働関連の法律の改正が推進され、これまでに「労働基準法」「労働安全衛生法」「労働時間等設定改善法」「パートタイム・有期雇用労働法」などでさまざまな法改正が行われています。企業は、それらを遵守しながら従業員の勤怠状況を正しく管理することが義務といえますが、就業管理システムでは、システムの提供会社が改正を反映したバージョンアップを行ってくれるため、円滑に対応できるようになります。

    雇用形態や勤務形態が多岐にわたる

    多くの企業は、いわゆる正社員と呼ばれる従業員に限らず、パートタイマー、アルバイト、契約社員、派遣社員などさまざまな雇用形態の労働者を抱えています。正社員でも賃金や休暇はそれぞれですが、各雇用形態によって出退勤の時刻はもちろん、給与や休日にも細かな違いがあります。たとえば、同じパートタイマーやアルバイトでも、1週間に出勤する曜日・時間帯が異なるシフト制であったり、時間給などは個人によって異なるというケースが一般的です。どうしても、手作業による勤怠管理の複雑化は避けられないでしょう。

    しかし、就業管理システムを導入することで、従業員の雇用形態・勤務形態がバラバラという場合でも個々の勤務データを正確に把握でき、効率的でスムーズな管理が可能になります。

    従業員が30名以上、もしくは今後の増加が見込まれる

    就業管理システムは、まずは多くの従業員が属している大企業に向いていると考えられますが、国内で大多数を占める中小企業においても、タイムカード式などの手作業からシステムへ移行することの検討が必要かもしれません。

    近年の働き方改革の流れから、少なくとも従業員が30名を超えていれば、手作業での勤怠管理がすでに業務を煩雑にしていることが想定されます。さらに、従業員数が増える見込みがある企業では、従来のタイムカード式では、正確なデータやその掌握が追い付かなくなるという事態が起こりうるでしょう。

    システム導入によって勤怠管理が効率化することは、企業全体の業務の流れを改善し、その成長や発展の後押しにも繋がります。

    複数の拠点がある、在宅ワークを行っている

    従来の勤怠管理では、タイムレコーダーのように打刻できる機器がある場所でしか出退勤の記録はできませんが、就業管理システムは、インターネットに接続できる環境であればどこからでも打刻できます。そのため、規模が大きく、支店・支社・工場など複数の拠点を管理している企業に推奨されます。

    また、手元の端末から打刻できるため、テレワーク・リモートワークなど在宅で仕事をしている従業員や、出張・現場への直行・出先からの直帰などにもしっかり対応できるものです。システムは、いつでもどこからでも出退勤時刻の申請できることが大きな特徴の一つであり、同時に、これまでの管理方法より正確性まで高めてくれるのも有意なポイントといえるでしょう。

    就業管理システムのメリット、デメリット

    就業管理システムには、企業・経営者といった管理側と従業員側、それぞれにメリットがあります。主な特徴として、使いやすさや正確性が向上し、それに伴う効率アップなどが挙げられます。
    その半面、設置環境・使用方法によっては、従来のタイムカード式と比較してデメリットがないわけではありません。メリットを確認しつつ、デメリットのほうも考察していきましょう。

    管理者側

    メリットとしては、これまで広く浸透していたタイムカードなどと比較して、まず勤怠管理が効率化されるという点が挙げられます。従来はカードを回収したり打刻された数字を転記したりという手作業での工程が不可欠でしたが、システムの場合は従業員が手元の端末から申請する出退勤データをシステムで一元管理できるため、担当者の負担は大きく軽減されます。雇用形態が多岐にわたる場合も、個々に対する柔軟で正確な管理を可能にします。複数の拠点を有する企業・規模が拡大傾向にあるという企業などでも、勤怠管理の効率は大幅に向上するでしょう。

    また、タイムカードでは従業員の打刻ミスや不正といったリスクもあり、一方の管理者も、転記ミスや集計ミスを起こすことが想定できるものでした。システムにおいては、このようなヒューマンエラーを防ぐことができます。

    さらに、就業管理システムは、働き方改革に伴う法改正に自動的に対応し、改正に則った管理フローを円滑に反映してくれます。

    デメリットは、手作業と比較して費用がかかるという点です。タイムカードの場合は機器の設置費やカードの消耗品費などでコストを抑えることが可能ですが、システムの場合はインターネットに接続できる環境が前提であり、そのほかにもある程度のランニングコストを要し、導入時に自社用にカスタマイズするとなれば初期費用が高額になることがあります。

    また、就業管理システムには、休暇管理機能も備わっています。従業員の有給休暇や特別休暇の取得状況をシステムで一元管理することで、管理者は休暇の計画や調整を簡単に行うことができます。従業員は自分の休暇残数を確認し、休暇申請をオンラインで行うことができるため、休暇管理の効率化と透明性の向上が図れます。

    従業員側

    従業員側のメリットとしては、なによりも出退勤時刻の申請が容易になるという点が挙げられます。タイムカードの場合は、タイムレコーダーのように打刻できる機器がある場所でしか出退勤の記録はできず、在宅ワークや出張・直行・直帰などへ正確に対応するのは困難でした。打刻ができず人に頼むことでトラブルになったり、二重に打刻してしまったり、印字が薄くいことで読み取れなかったりということもありえます。しかし、システムが導入されれば、スマートフォンやパソコンからいつでもどこでも出退勤の時間を申請でき、それを正しく把握してもらうことが可能になります。やむを得ない事情での遅刻・早退、残業、さらに休暇に関する申請も手続きしやすくなります。また、タイムカードでは確認しづらかった労働時間など、自分の最新の勤怠状況を端末から把握できるようになります。

    ただし、システムはインターネットを介する手続きとなるため、すべての従業員自身で端末を使用することが前提です。職種によって、また世代によって「ITが不得手」という人にとっては、慣れるまでに時間を要するという点がデメリットとなるでしょう。勤怠管理上はシステム導入によって使いやすさが増すものといえますが、最初は操作を誤ったり申請を忘れてしまったりというケースもゼロではないため、まずは習慣化することが求められます。

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    就業管理システムの選び方のポイント

    就業管理システムはすでに数社から製品化されており、機能や使い方における仕様・サービスはさまざまです。企業がタイムカードからの移行を決め導入を推進したいという場合、どのようなことを意識して比較検討すればよいでしょうか。システムのメリットを最大限活かし、かつ自社に最も適したものを選びたいという場合のポイントを解説してまいります。

    勤怠管理で解決したい課題に対応できるような機能はあるか

    各企業には就業規則があり、従業員を管理する勤怠ルールも細かく定められているものです。業務内容・従業員数・出退勤の時刻・給与の基準・支店や支社の有無・正社員とパート・アルバイトの混在といったことに基づいて、独自のルールを設定していることでしょう。そのような各社の勤怠ルールに則ってシステムが運用されていくため、まずは、導入する就業管理システムがそれらに対応しているかどうかを確認することが大切です。

    手作業での勤怠管理と比較しておおむね効率が上がったとしても、日々の運用において、また、いざというときに細かな課題を一つひとつクリアできなければ、その企業にとって正しく適切なシステムとは言い難くなります。

    セキュリティ対策ができており、常にアップデートされているか

    就業管理システムはインターネットを介して運用することになるため、セキュリティ対策が徹底されているかどうかは重要なポイントです。

    近年、ネット上での情報漏洩が発生し、個人情報が流出するニュースを目にすることが増えています。このようなリスクを防ぎ、自社の従業員を守るためには、高性能な勤怠管理のシステムに併せて、強固な安全対策が設けられていることも不可欠なのです。常に最新の防犯技術にアップデートされているか、もしもの時のサポートがあるかなども要点といえます。

    導入を検討しているシステムについて、セキュリティ対策の充実度を確認し、防犯面でのサポート体制の有無についてもリサーチしてみましょう。

    導入サポート対応が充実しているか

    システム導入の際、しっかりとしたサポート体制があるかどうかも大切なポイントになります。サポートには、担当が専任で1名以上つく「専任サポート制」と、チーム全体で対応する「チームサポート制」の2種類があります。回答の方法も、メールでのやりとりのみというところから、電話や会議で具体的にアドバイス・提案を返してくれるというところまでさまざまです。

    製品そのものが他社より格安だったとしても、サポートが有料オプションになっているため、結果的には他社と同額になるというケースもあります。具体的に、どのようなサポートが受けられるのか、レスポンスのスピードや対応方法、サポートしてくれる範囲などを、あらかじめ確認することが重要です。

    クラウド型勤怠管理システム「楽楽勤怠」

    本記事では、就業管理システムのメリットについて詳しく解説しました。システム化により、従業員の勤怠情報を正確かつ効率的に管理することで、業務の効率化や法改正への迅速な対応が可能となります。多様化する雇用形態や働き方に対応するため、勤怠管理のシステム化は今後ますます求められるでしょう。

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    楽楽勤怠コラム編集部
    • 監修楽楽勤怠コラム編集部
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